綾城の戯言。

ラノベや将棋など。好きなことを綴っていきます。

藤井棋聖、誕生。初タイトルと最年少記録。

本日、7月16日。

またひとつ、この少年によって記録が破られることとなった。

 

 

注目の一局

第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局、

渡辺明棋聖-△藤井聡太七段

大阪市関西将棋会館にて行われた。

 

19時11分、挑戦者で後手の藤井聡太七段が110手で渡辺棋聖に勝利し、自身初タイトルである棋聖を獲得

 

1990年に屋敷伸之九段(48)が作った18歳6カ月というタイトル獲得最年少記録を更新した。

 

 

またも、相矢倉。

前局、藤井七段がタイトル奪取に王手が掛かった状態での第3局は、渡辺三冠が角換わりの研究で藤井七段を封じこめた。

 

引き続き、勝てば藤井七段のタイトル獲得最年少記録更新となる大一番であった。

 

 

本局の戦型はまたも相矢倉の将棋になり、序盤は先手の渡辺棋聖が急戦調に構え、攻める形となった。

渡辺棋聖のペースに、藤井七段は中盤以降持ち時間を多く使う展開になったが、ここまでは「いつも通り」といっても過言ではない。

 

本局は互いにやりたい手をどのタイミングで踏み込むかの探り合いをする時間が長かったように思う。

 

 

強さ

藤井七段の強さはなんといっても持ち時間がなくなってからも間違えないところだ。

もちろん序中盤の組み立てや終盤力の強さ、詰むや詰まざるやの見切りなども強さだろう。

どれをとっても既にA級棋士などに引けを取らない完成度に感じる。

 

また、先日の王位戦第2局では、苦しくなってからも緩手が入れば牙を剥き食ってかかる反応の良さも見せた。

優勢を築いてからも微塵も気を抜かせない、圧力は番勝負を戦う上で大きいものになるだろう。

 

本局も藤井七段が受ける展開が長く続いたが、3八銀打と飛車取りにかけたてから先手玉が狭くなり、後手から挟撃体制を築いていった。

渡辺棋聖も後手玉に迫るも、流石の藤井七段は間違えることはなかった。

藤井七段が持ち駒ぴったりで先手玉を寄せ切り、勝ちとなった。

 

渡辺二冠の名人挑戦、藤井聡太棋聖の王位挑戦、

今後も長いタイトル戦が続きますが、まずはお疲れ様でした。

 

いやあ、強すぎる。

 

 

矢倉の時代、来てる?

今シリーズは

第1局 相矢倉

第2局 相矢倉

第3局 角換わり腰掛け銀

第4局 相矢倉 

と矢倉メインの番勝負となった。

 

角換わり腰掛け銀の6二金8一飛といった俗にいう「親の顔より見た戦型」の台頭があったり、

「(じっくり構える)矢倉は終わった」発言があったり、矢倉は下火にも思えていた。

 

高見七段が「誰か強い先生が矢倉で勝ちまくれば……」

と発言されていた。

角換わりの研究が深くなった 今こそ がその時なのかもしれない。

 

角換わりで研究にハマると大差になりやすいですし。

相矢倉に組んで力戦調にぶつかる方が純粋な力比べになりますしね。

 

純文学、純文学。

 

 

藤井聡太棋聖

しばらく鳴りを潜めていた藤井フィーバーだったが、ここ最近また世間を賑わせている。

ある種、第二次藤井フィーバーというやつなのだろう。 

 

しかし棋聖奪取で止まる男ではない。

 

現在挑戦中の王位戦七番勝負では、二戦二勝とリードしている。

さらには、竜王戦決勝トーナメントに進出。

少し先にはなるが、王将戦挑戦者決定リーグでは好順位に付けている。

 

全てに勝利することは難しいが、早々に二冠あるいは三冠も見えてくる。

藤井聡太という棋士は、今後の活躍にも期待せざるを得ない。

 

 

彼は「勝てば記録更新」となる将棋が多い。

多くの人間は、多少なりとも記録を気にかけ、緊張もするだろう。

毎度毎度、記者たちが「記録を気にしたか」という類の質問をするが、気にする素振りを見せない。

(もちろん内心はめちゃめちゃ気にしているかもしれないが…)

そして、いつも通りのパフォーマンスを見せてくる。

その類のプレッシャーは藤井聡太には、意味を成さないのかもしれない。

 

 

 

将棋の強い天才少年か、あるいは将棋星人か。