綾城の戯言。

ラノベや将棋など。好きなことを綴っていきます。

最年少初挑戦、時代の到来か。

今日、2020年6月4日。

また一つ、将棋界の記録が更新されることとなる。

 

 

第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント決勝戦が、東京将棋会館の特別対局室で行われた。

 

準決勝で、佐藤(天)九段を破った藤井七段と、山崎八段を破った永瀬二冠との対局は、振り駒の結果、永瀬二冠の先手。

(やっぱり藤井先生の振り駒の勝率低くないですか?)

 

▲永瀬二冠△藤井七段

 

戦型は相掛かりとなり、後手番の藤井七段が100手で勝利。

渡辺棋聖への挑戦権を獲得した。

藤井聡太七段の史上最年少タイトル挑戦がかかった対局であった。

 

 

 

 

記録とは、この少年に破られるためにあるのか…

 

コロナ対策で東西遠征を伴う対局が延期になっていたため、一時は記録更新も流れてしまったかと思われました。

しかし、準決勝から決勝戦まで中一日、番勝負まで中三日という無理矢理なスケジュールにより屋敷九段の持つ記録を結果的に”4日”更新することとななるのです。

(棋聖戦主催としては記録更新をかけて注目を集めたいところだっただろう。)

 

本来なら多くの報道陣が駆けつけたであろう大一番も、将棋連盟のなどの感染対策により、最小限の人数でとりおこなわれ、記者会見もリモート?のような様相。

カメラの前に藤井七段、別室で記者からのインタビュー。なかなか見れないものを見た気がします。

 

 

 

チームバナナ。つよつよだ、、、

(第3回AbemaTVトーナメントにおけるチーム永瀬の愛称)

 

藤井七段は言わずもがな、デビュー後29連勝でも一躍有名になった若手棋士である。

勝率は史上初の3年連続8割超で、他の棋戦でも既にトップ棋士とも対等以上に張り合っている。

 

対する永瀬二冠も現在の将棋界を背負って立つ若手トップ棋士だ。

「二冠」という肩書きにもあるように、叡王戦王座戦のタイトルを奪取し、八つあるタイトルのうち二つを持っている実力者である。

 

ふたりは普段からVS(練習将棋)をよくする互いの強さを知った仲のようだが、意外にも公式戦初手合い。

永瀬二冠先手の矢倉、藤井七段先手の角換わりが有力とされていたが、本局は相掛かりが採用された。

 

終盤力の藤井 負けない永瀬

 

先手の永瀬二冠が2六に飛車を引いた局面から両者長考に入り、盤面と心理の読み合いに進みます。

その後も互角の将棋ではあるものの、55手目辺りまで永瀬二冠がペースを握る展開に。

 

終盤力に定評のある2人で、本当に間違えない棋士

そんな相手に迫る桂馬からの銀打の組み立ては挑戦者の片鱗を見た気がします。

大きなミスは無く、終盤まで互角の将棋を指したふたりの勝負の分かれ目は何処だったのでしょう。

実際の敗着は77手目に2六馬と馬の利きを逸らしてしまったところかもしれません。

しかし、その選択に至るまでの指しまわしは、藤井七段の終盤力と彼の持つ”なにか”なのかもじれません。

 

 

 

これまでと、これから。

 

王将戦挑戦者決定リーグ最終戦 勝てば挑戦権を獲得の大一番、広瀬竜王(当時)戦

ずっと苦しい将棋だったものの、やっと掴みかけた勝ち筋を逃し、悔しい頓死を食らった。

 

竜王戦3組決勝では杉本八段との師弟対決が待っており、勝てば4年連続決勝トーナメント進出だ。

 

王位戦リーグでは一局を残し、現状白組トップを走っている。

紅組を抜けてくる有力候補は永瀬二冠であり、またこの2人で挑戦権を争うことになるかも知れない。

 

さいごに

今回は叶わなかったカードではありますが、

豊島竜王名人、渡辺三冠、永瀬二冠の三つ巴での名人戦叡王戦棋聖戦というのも見てみたかったですね。

 

棋聖戦五番勝負だけでなく、今後のタイトル戦への登場も期待し、楽しみにしたいと思います。

個人的には王位戦での”中年の星”対”怪物少年”を見たいものです。

(そろそろ藤井先生の異名、固定になりませんかね…?)

 

りゅうおうのおしごと!』への期待も込めて。

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